演出家

2.5次元舞台を見ているうちに、原作なしのオリジナル作品も見てみたいと思った方もいるのではないでしょうか。
しかし、原作がない分、本当に面白いのかと不安になることも多いものです。あらすじやちらしのビジュアルを見て気になっても、実際にはなかなか足を踏み出せないという方も多いのでは?

そんな方におすすめなのが、好きな2.5次元舞台の演出家が関わっているオリジナル作品を見てみることです。
今回は有名なあの2.5次元作品を手掛ける演出家のオリジナル作品についてご紹介します。気になった演出家がいたら次回作のチケットを取ってみたり、DVDを見てみたりしてください。

演出家とは?

舞台における演出家は、映画における監督とほぼ同じ役割を持っています。
キャスト・スタッフを取りまとめ、自身の考えた演出プランにしたがって舞台作品を作り上げます。
キャストの演技に対して指示や指導をしたり、照明や音響と打ち合わせをしたりと、演出効果を考えた上でそれを実現させるのが役割です。

舞台は演出家によって大きく変わります。
たとえば、脚本に書かれている台詞1つをとっても「どのような感情を伝えるのか」を最終的にジャッジするのは演出家です。
そのため、「この演出家の作品は合う」「この演出家の作品は合わない」といった言葉が舞台ファンの間でもよく聞かれます。
つまり、好きな作品を作った演出家の作品であれば、自分にとって楽しめる作品である確率が高いということです。

「弱虫ペダル」の西田シャトナー

舞台「弱虫ペダル」や「ALL OUT!! THE SHTAGE」の演出を行っているのが西田シャトナーです。
もともと関西の小劇場を中心に活動していた「惑星ピスタチオ」で脚本・演出を担当していました。「惑星ピスタチオ」の解散後も精力的に活動しています。

自転車競技をテーマにした「弱虫ペダル」ではキャストが自転車のハンドルだけを持ち、全身でレースを表現したことが話題となりました。
西田シャトナー演出は小道具の使用は最小限にし、キャストの演技で状況を伝える「パワーマイム」と呼ばれる手法が特徴です。
キャストの表現力とそれを受けた観客の想像力が織りなす物語は、舞台作品ならではの面白さにあふれています。

2014年より西田シャトナー自身のオリジナル作品を上演する「SHATNER of WONDER」というプロジェクトが始まっており、2017年7月には6作目となる「遠い夏のゴッホ」が上演されました。
2.5次元舞台でもおなじみの若手俳優が活躍していますので、次の作品も是非チェックしてください。

また、このシリーズはすべてDVD化されているので、過去作も見ることができます。
「弱虫ペダル」や「ALL OUT!! THE SHTAGE」が好きな方には2017年4月に上演された「破壊ランナー」がおすすめです。

舞台「刀剣乱舞」の末満健一

舞台「刀剣乱舞」や舞台「K」の演出で注目を集めているのが末満健一です。”刀ステ”は上演のたびに大きな話題になっています。
末満健一も「惑星ピスタチオ」で役者をしていた経験があり、その後も演出家として関西を中心に活動していました。2018年現在は東京での上演が増えています。

オリジナル作品はさまざまなジャンルやカラーがありますが、”刀ステ”でも見どころとなっている見応えのある殺陣が見られる作品が多いです。
また、末満健一は悲劇の描き方にも定評があります。悲しいけれど何か心に残る物語を求めている方には是非触れてほしい演出家です。

オリジナルの代表作は「TRUMP」シリーズです。
関西の小劇場で2009年に上演された「TRUMP」を皮切りに「LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-」、「SPECTER」、「グランギニョル」、2018年8月に上演された「マリーゴールド」とシリーズが続いています。
吸血鬼をモチーフとしたゴシックファンタジーは普段2.5次元舞台を見ている方も楽しめるのではないかと思います。
また、いずれもDVD化されているだけでなく、YouTubeなどでの無料配信やCS放送が行われていたこともあり、今からでも触れやすい作品です。

「青の祓魔師」の西田大輔

舞台「青の祓魔師」や舞台「ジョーカー・ゲーム」、舞台「戦国BASARA」といった2.5次元作品を多数手掛けている西田大輔。
2018年からはミュージカル「薄桜鬼」の演出を引き継いでいます。

劇団「AND ENDLESS」の主宰として多数の作品を上演するほか、「もののふシリーズ」のような劇団外でのオリジナル作品も手掛けています。
西田大輔の演出は、殺陣やダンスを多用したダイナミックな身体表現と舞台終盤で強く観客の心を掴むエモーショナルな物語づくりが特徴です。

2018年に上演された舞台「野球~飛行機雲のホームラン」はDVDとBlu-ray化が決まっているので気になる方は是非チェックしてみてください。
また、「武士白虎~もののふ白き虎」から始まる「もののふシリーズ」も映像化されており、オリジナル作品を見たい場合はこれらの作品がおすすめです。

2.5次元舞台から新たな世界へ

原作があり事前にストーリーやキャラクターがチェックできる2.5次元舞台と違い、オリジナル作品の舞台はなかなか足を運びづらいもの。演出家を参考にして新しい世界を広げてみてください。
また、今回は映像化されており、DVDなどで今からでも見られる作品を中心に紹介しましたが、やはり舞台は生で観劇するのがいちばんです。気になる演出家がいたら次回公演の情報もこまめにチェックして、是非劇場で楽しみましょう。

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