みなさんはもうとっくにご存知でしょう、「2.5次元舞台」
いつの間にか普及して、いつの間にか当たり前になっているこの2.5次元と言うジャンル。
古くからある2.5次元といえばテニミュとか…など、ざっくりとした歴史は知っていても、詳しくは知らない、そんな2.5次元舞台の歴史をまとめてみました!
まず、2.5次元舞台(ミュージカル)とはアニメ、漫画等の原作(版元)のある作品を舞台化したものを指していますね。
実は2.5次元舞台のはじまりは宝塚歌劇団の「ベルサイユのばら」でした。
もちろん、2.5次元のオタクでしたら、このくらいのことはご存じかも知れません。
ですが、我々の思い浮かべる「2.5次元」とは宝塚や、劇団四季などの伝統あるお芝居ではなく『顔のいい俳優、女優が華やかにお芝居をする』とても活気のあるお芝居のイメージだと思います。
今回は、その今の2.5次元のイメージを作った『イケメン俳優たちの揃う舞台』の歴史について触れてみようと思います。
このページのように、我々の思う2.5次元の歴史をまとめたものはほぼなく、わたし個人での調べたものになりますので、いくつか漏れのあるもの、主観を含む記事がございますことをあらかじめご了承くださいませ。
2.5次元ミュージカルの最古参 ミュージカル『テニスの王子様』
皆様もおそらく「一番古い2.5次元はどの舞台?」って言われたら「テニミュでは?」とお答えするのではないでしょうか。
ミュージカル『テニスの王子様』(通称:テニミュ)は漫画原作と同じく長寿シリーズとなっており、現在でも続々と新作が発表され、シーズン3まで公演重ねられています。
初演はなんと2003年4月30日に公演がスタートしました。2019年現在から考えるとなんと『16年前』の出来事なのです。
このテニミュでは、我々の思う2.5次元の鉄板ポイント
「男性キャストのみ」
「少年漫画モノの舞台化」
「スポーツモノ」
が作られたと思われます。
また、斎藤工、加藤和樹、村井良大など現在でも有名な俳優が若い頃に出演しており、
宮野真守、KENN、増田俊樹など、現在は声優として活躍している方も俳優として出演していました。
その方々が現在に語ることもあって、このジャンルが有名になる呼び水になったかもしれませんね。
テニミュが2003年だと聞くと、そんな前にはまず「2.5次元」なんて名前はなかったよな…と思われるでしょう。
そもそも「2.5次元」という呼び名は、『2次元のアニメ』『3次元の舞台演劇』から取り、ファンがSNS上などで発信し、自然的についた名称であるため、SNSの普及により広まっていったと思われます。
もともとは声優という『中の人』の存在や、コスプレイヤーなどを指す言葉としても2.5は使われていましたね。
さて、思い返してみれば「2.5次元」という名称が広まり始めて、自分たちにも身近になってきたのはいつ頃だろうかと考えてみると、おそらく2010年前後ではないかと思います。
テニミュを最初から追いかけている方は別になってしまいますが…。次はその2010年前後の2.5次元舞台の歴史を追いかけて見ましょう。
2010年初演の2.5次元作品
ミュージカル忍たま乱太郎
NHKでアニメ放送をしている子供向け番組、という認識ではないでしょうか。
先ほどの2.5次元の鉄則のイケメンお兄さんたちを出すタイミングなんてどこにあるの…まさか乱太郎…!?と思われるかもしれませんが、実は忍たま乱太郎には、先生たちをのぞいても上級生というカッコイイ先輩たちがいるのです。
このミュージカル忍たま乱太郎(通称:忍ミュ)ではその上級生として人気を博している「6年生」をメインに舞台が構築されています。
それ以外にもプロの忍者や水軍など、大人が出てくるタイミングもあり、前述したポイントのイケメン俳優をふんだんに使っています。
乱太郎たちは子役がやっているのでとても可愛らしく、そこも見所だったり。
初演は2010年の1月。
意外にも長く続いており、6月には10弾初演を終え、秋から再演など現在でも続いています。
忍ミュはアクションが多く、そのほとんどをジャパンアクションエンタープライズの役者さんが担当していることもあってか、映像より舞台を主にやっている俳優が多く出演しています。
過去には椎名鯛造、山崎大輝、佐藤流司などが出演していました。
ミュージカル『薄桜鬼』
オトメイト原作の乙女ゲームですね。まさにイケメン俳優たちが活躍するのにふさわしい舞台です。
乙女ゲームと言うことで女性の主人公はいるのですが、それを囲む男性俳優は名だたるイケメンが揃っています。
原作が乙女ゲームである薄桜鬼はそのゲームの特徴であるルート分岐をうまく落とし込んでおり、ルートごとに主人公のキャストを変えたりなど、現在から見ても独特なやり方をしていました。
ミュージカル薄桜鬼(通称:薄ミュ)は原作を舞台化したミュージカルの他に、公式学園パロディのSSL版と呼ばれる舞台もあり、ドラマ化もしているジャンルです。
2次元作品の映画化、実写化は、この時期から増えてきていました。
初演は2010年の10月。
前述したように幅広いメディア展開をしており、舞台俳優と映像俳優が共演することも少なくありません。
この薄ミュには、廣瀬大介、荒牧慶彦、東啓介などが出演していました。
2012年初演の2.5次元作品
舞台『弱虫ペダル』
週間少年チャンピオンで現在も連載中のスポーツモノ原作です。
未履修の方でも舞台弱虫ペダル(通称:ペダステ)のことは聞いたことはあるのではないでしょうか。
ロードバイクで走る自転車競技を題材としているため「自転車のレースシーンをどうするのか」という問題に対して、「惑星ピスタチオ」の劇作家演出家の西田シャトナーが生み出した演出方法が話題になりました。
実際に自転車に乗ることはなく、自転車のハンドル部分だけを役者が持ち、それを実際に漕いでいるように動かしながらその場で足踏みをするという独自の演出(パズルライドシステム)がされました。
はたから見るとなんとも面白い光景で、良くも悪くも話題になりました。
実際の舞台にはスクリーンもなく、役者のスピードだけで魅せるその演出は実際に走っているような疾走感を舞台上で再現し、結果としてとても評価されました。
そして舞台とは違うキャストではあるものの、実写ドラマ化も果たしました。
初演は2012年2月。
鈴木拡樹、鳥越裕貴、植田圭輔が出演していました。
これは個人の感想ですが、このペダステで「良くも悪くも、2.5次元舞台とはこういう作品なのだ」ということが、SNSを中心に知れ渡ったことも2.5次元舞台が世間に広まっていった一因だと思っています。
まとめ
さて、このように各作品を並べてみると、それぞれの作品で目に付くような大きな特徴がありましたね。
ここにあげませんでしたが、2010年前後には黒執事や戦国BASARA、ミラクルトレインなど、他にも様々な作品がありました。
どれも、今でも有名な作品ですよね。
2019年現在において、オタクだけでなく一般層にも有名な2.5次元作品と言えば、刀剣乱舞でしょうか。
舞台俳優から映像の俳優として有名になっていく人も増えていき、同作品はついに全国ロードショーの映画にまで発展しました。
10年前から考えれば、本当に信じられない状況です。
2.5次元舞台、ミュージカルの普及、一般への認知が広がり、どんどん活発になっているこの界隈、未履修でも過去のことを知っているといろんな話のネタになるかもしれませんね。