ブラウザゲームとして2015年1月にリリースされた「刀剣乱舞-ONLINE-」は、刀剣の擬人化という斬新な設定や多彩なキャラクターで女性を中心に爆発的人気となりました。
そのゲーム「刀剣乱舞」を原作として2015年からミュージカルが、2016年から舞台が上演されており、こちらもチケット入手が困難なヒットを続けています。
そんなミュージカル「刀剣乱舞」(通称「刀ミュ」)と舞台「刀剣乱舞」(通称「刀ステ」)、それぞれのどこが違うのかや魅力について解説します。
ミュージカル「刀剣乱舞」
刀ミュは2015年10月の「阿津賀志山異聞」トライアル公演からスタートし、2018年10月時点で本公演が6作品上演されています。
2016年からは毎年「真剣乱舞祭」というライブも行われています。
刀ミュは演出を茅野イサム氏、脚本を御笠ノ忠次氏が担当しています。
本公演はゲームと同じく6振り1部隊での活躍を描くため、メインの刀剣男士キャストは6名というのがここまでの刀ミュです。
制作会社はミュージカル「テニスの王子様」でもお馴染みのネルケプランニングです。
刀ミュの特徴は大きく2つ。
1つ目はミュージカルと銘打っている通り、歌とダンスがメインとなっていることです。
2つ目は第1部が物語のあるミュージカルであるのに対し、第2部が「現代の戦い」として刀剣男士たちによるライブショーを見せてくれることです。
そのため、ミュージカルの部分は刀ステに比べるとコンパクトなお話になっています。
第2部のライブでは毎回オリジナルの衣装に身を包んだ刀剣男士たちが歌って踊って会場を沸かせます。
「審神者」である観客はペンライトやサイリウム、うちわといった応援グッズを振ることも可能です。
このライブが刀ミュの盛り上がりに一役かっていることは間違いないでしょう。
物語のモチーフは1作目の「阿津賀志山異聞」と4作目の「つはものどもがゆめのあと」、6作目の「阿津賀志山異聞2018 巴里」が源義経と鎌倉幕府成立、2作目の「幕末天狼傳」と5作目の「結びの響、始まりの音」が幕末の新撰組となっています。
同じキャラクターや時代であっても、作品ごとに様々な角度から描き出してみせるのが刀ミュの魅力です。
さらに、刀ミュは中国やフランスでの公演、NHKの音楽番組への出演、プロ野球での始球式など、活躍の幅が広いのも特徴です。
これからも2.5次元の広告塔として様々な媒体で見られるようになるかもしれません。
舞台「刀剣乱舞」
刀ステは2016年5月の「虚伝 燃ゆる本能寺」からスタートしました。
制作は舞台「弱虫ペダル」やミュージカル「薄桜鬼」のマーベラス、脚本・演出を末満健一氏が担当しています。
刀ミュと違い、刀剣男士は6振りとは限らず、「虚伝」では12振りの刀剣男士が登場しました。
刀ステはストレートプレイとなるため、オープニングとエンディング以外に歌唱やダンスは用いられないのが刀ミュとの大きな違いです。
魅力はなんといっても迫力とスピード感のある殺陣です。
殺陣を得意とするキャストも多く結集した刀ステでは、芝居の中で臨場感あふれる戦闘シーンを目にすることができます。
また、それぞれの作品が独立している一方で、三日月宗近と山姥切国広を中心として見るシリーズものとしての面白さもあり、シリーズ通して物語を味わいたい作品です。
刀ステは2018年10月現在で5作品が上演されています。
「虚伝」は2016年末から2017年始にかけて再演され、その後「義伝 暁の独眼竜」「外伝 此の夜らの小田原」「ジョ伝 三つら星刀語り」「悲伝 結いの目の不如帰」と続きました。
「外伝 此の夜らの小田原」は一夜限りの特別上演ということで、物語の舞台である小田原城前の野外ステージで披露されたのが話題となりました。
「悲伝 結いの目の不如帰」は刀ステの集大成とうたわれ、2ヶ月に及ぶ長い公演が行われました。続編の情報はありませんが、ファンの間では続編が見たいという声が根強くあるようです。
刀ミュ、刀ステどっちを観る?
刀ミュ、刀ステはキャスト・スタッフが異なり、それぞれの世界観も独立しています。
そのため同じ原作をスタート地点とした、まったく違う舞台化2作品となっています。
どちらも好きという人がいる一方、「刀ミュのほうが好き」「刀ステが一番」と好みが大きく分かれることもあるようです。
歌やダンスが好き、アイドルのライブなども行く・興味があるという人には刀ミュがおすすめです。
物語の面白さはもちろんのこと、刀剣男士たちの歌やダンスも存分に楽しめ、時にはアイドルのようにファンサ―ビスで手を振ったり、うちわのメッセージに応えたりすることもあります。
歌やダンスよりも殺陣が見たい、公演時間いっぱい物語を楽しみたいという人には刀ステがおすすめ。
刀剣男士はもちろんのこと、歴史上の人物を演じるキャストの芝居や殺陣も魅力的で思いっきり物語に浸れます。
もちろん好きなキャラクターやキャストがいる場合は、まずは出ている作品を見るのが良いでしょう。
刀ミュも刀ステも映像化されており、配信やCS放送で気軽に見ることができます。
是非刀ミュ、刀ステの世界に触れてみてくださいね。