ロードレース

男性キャストをメインとした2.5次元舞台では、少年漫画のスポーツ作品が原作となることが多々あります。
今回はシリーズを通して高い人気を誇る、スポーツものの2.5次元舞台をご紹介していきます。

ミュージカル「テニスの王子様」

現在の主流となっている2.5次元ミュージカルの元祖といわれるのがこの”テニミュ”です。
2003年から15年間も続いており、現在は原作の3周目(3rd season )が上演中。
テニスボールの動きを照明と効果音で表現、キャストはラケットを振り架空のボールを打ち合います。
文字にするとどこか間抜けにみえるかもしれませんが、実際観劇すると次第に見えないはずのボールが見えてくる…という体験ができるはずです。

主人公を擁する青春学園のキャストはある一定期間その役を演じると”卒業”していく代替わりシステムとなっています。
キャラクターにマッチすれば新人でも起用されるため、公演を重ねる度に着実に成長していく姿を見守る、育成を楽しむような感覚も味わえるミュージカルシリーズです。

今は違う作品にハマっていても、過去にテニミュを通ったという若手俳優オタクは少なくありません。
もしテニミュが気になったら、周りのオタク仲間にテニミュの話題を投げかけてみてください。
どこからともなく公演DVDなどを貸してもらえるはずです。

舞台「弱虫ペダル」

2012年から続いている”ペダステ”は、自転車競技部を題材とした作品です。
ペダステの特徴は”パズルライドシステム”という独自の演出方法。

自転車レースのシーンでは自転車が一切登場せず、キャストはハンドル部分だけを持って登場します。
そして、映像演出もないなか、キャストはまるで自転車に乗っているかのような姿勢をキープして、足踏みでペダルを漕いでいる様子を再現するのです。
尋常ではない量の汗を滴らせる様子が、いかにこの演出が過酷かを物語っています。
派手な演出はありませんが、だからこそキャストの全身全霊をかけた息遣いと熱が伝わってくる作品です。

ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」

通称”ハイステ”は2015年以降続いているバレーボール漫画を原作とした人気シリーズです。
タイトルにあるように、プロジェクションマッピングを積極的に取り入れ、まるで漫画から飛び出してきたような演出が特徴的です。
また、ステージ上に八百屋舞台と呼ばれる傾斜のついたセットが用意されており、キャストはその傾斜のうえで縦横無尽に動き回ります。

ストーリーは原作をぎゅっと詰めているため、公演によってはかなりの人数がステージ上に並び壮観な景色となります。
2018年6月に千秋楽を迎える最新公演で烏野キャストが卒業。
新生烏野キャストの解禁時には若手俳優界がざわつきそうです。

「ダイヤのA」The LIVE

“ダイステ”は甲子園を目指す強豪校たちの青春を描く高校野球の舞台。
試合のシーンが始まると、客席はたちまちマウンドの応援席に早変わり。
公式グッズとして、プロ野球の応援グッズとしてもよく見かけるメガホンが販売されており、応援合戦のシーンではそれを使って実際にステージ上の選手たちを応援することができます。

応援を先導してくれるキャストがいるため、その指示にしたがって応援すれば野球観戦初心者でも大丈夫。
芝居を楽しみながら、高校野球で母校にエールを送るような疑似体験ができる作品です。

舞台「黒子のバスケ」

アニメ版との親和性が高いのが、この”黒ステ”です。
アニメで主人公・黒子テツヤを演じている小野賢章が、舞台版も同役で出演。
ステージ上からアニメとまったく同じ声が聞こてくるという体験が味わえます。

また、アニメ主題歌を使用したOPダンスがかっこよく見応えたっぷり。
アニメを観ている人はより盛り上がれる仕掛けになっています。
黒ステでは実際のボールを使用するシーンもあり、そこも含めて観客は毎公演ドキドキしながらバスケシーンを楽しむことができるのです。

プリンス・オブ・ストライド THE LIVE STAGE

“ストライド”という架空の競技で競う高校生たちを描く”プリステ”は、口コミで評判が広がり人気作品となったシリーズです。
ストライドはパルクールのように街なかの障害物を体ひとつで飛び越えながら、リレー形式で対戦相手と競う競技。
キャストはストライドの稽古も事前にしており、ステージに組まれた障害物を華麗に越えていきます。

身体能力の限界に挑戦するような競技なので、他の作品では味わえない感動を味わえること間違いなし!
競技のルールなどが分からなくても、冒頭に丁寧な解説を入れてくれるので、シリーズ途中からでも安心して観劇できます。

まとめ

スポーツものの2.5次元舞台では、劇中で誰かが勝って、誰かが負けます。
原作の時点で結末はすでに決まっていますが、演じているキャストは誰もが「今日こそ絶対勝つ!」という意気込みで挑んでいます。
原作をなぞるだけの予定調和なストーリーではなく、生身の人間が演じるからこそ生まれる熱量や悔しさ、喜びを受け取ることができるのが、スポーツものの作品の醍醐味です。
ステージで繰り広げられる青春を、ぜひ劇場で味わってみてください!

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