センブロ最前列が正義なのか?

舞台のチケットを手にして席の番号を確認すると「どの辺りの席なのかな?」と気になりますよね。
アリーナ、1階、2階、通路側など。いったいどの席が一番見やすいの?と思ってしまうことでしょう。
そこで今回は、席による見え方の違いについてご紹介します。

「かみて」と「しもて」って何?

まず、具体的に席について考える前に、劇場内の用語について少し解説します。
「かみて」「しもて」という言葉を聞いたことはないでしょうか。
これは、演劇に限らずステージの用語です。客席から舞台を見たときの右側が「上手(かみて)」で、左側が「下手(しもて)」です。

右、左でいいじゃないかと思われるかもしれませんが、舞台の上からと、客席からでは、左右は逆になります。
もしも「右」「左」であれば、例えば舞台の稽古中に、客席目線から演出家などから「右から出て!」と指示が出ても、舞台側から見ると逆になってしまいますよね。

このように、どちらから見ても明確に定まった変わらない呼び名が必要なため「上手」「下手」があるのです。

上手? 下手? それともセンター?

劇場の座席は、どの劇場でもほとんどが、上手ブロック、真ん中のセンターブロック(センブロ)、下手ブロック、に分かれています。

センブロは真ん中なので、バランスよく舞台上を見ることができます。
上手であれば、どの程度端の方なのかにもよりますが、上手に推しが多くいる場合は近くで推しの姿が見え、下手の舞台がよく見えます。下手の場合はその逆です。

これに加え、チケットが完売してしまった後に解放されることのある「見切れ席」と呼ばれる席があります。上手下手のギリギリ端や、舞台を見るにあたり機材などが視界に入ってしまう席のことを言います。端の席は、上手側であれば上手の演技が見えづらくなります(下手も同様)。

そんな席はごめんだ、と思われるかもしれませんが、メリットもあります。キャストが客席に降りて演技をする場合、その近辺を歩いたり、立ち止まって演技をすることがあるためです。
これは、センブロの席では味わえない体験です。

1階・2階(・3階)・アリーナ

劇場は1階席だけの所が多いですが、中には2階席がある劇場もあります。
「2階?遠い!」と思ってしまいがちですが、一概にそうとはいえません。
1階席の後方よりも、2階席の前方の方が舞台に近く、上の方から舞台全体を見渡せることもあるためです。

しかし2階以上の席で気を付けなければならないのは、手すりの存在です。
思っている以上に手すりが視界に入り、邪魔な劇場も中にはあります。また、キャストが客席に降りて演技をすることがある場合、1階後方に行かれてしまった場合は何も見えません。

また、TDCには「アリーナ」があります。「アリーナ」と聞けば「臨場感たっぷりで舞台にも近そうですごくいい!」という印象を受けますが、TDCのアリーナはそうではありません。
フラットな床にほんの少しずつの段差を作り、2列もしくは3列ごとに椅子を並べています。つまり、ひとつの段差に3列のケースがあるため、3列目ともなるとほぼ何も見えなくなるのです。これは運次第となってしまいます。

TDCに限っては、アリーナよりもバルコニー席の方が確実に見やすいです。しかしアリーナは、後に出てくる「客降り」で有利だというメリットもあります。

内側か・通路側か

ハイタッチできる通路側の席

通路側ではなく、真ん中寄りに近いセンブロが良いという考え方もありますが、2.5の舞台では「客降り」と呼ばれる、役者さんが客席に降りて演技をすることがとても多いです。
そのため、推しの役者さんとほんの数十センチの距離というチャンスが、通路側席にはあります。

舞台の最中は、どんなに近くに役者さんが来ても触れることは厳禁です。
しかし、テニミュなどのアンコールにキャストがハイタッチをしてくるようなシーンであれば、遠慮せずに常識の範囲内でハイタッチにいきましょう。

前寄り? 後方席?

前方席のメリットは、分かりやすく「舞台に近い」ことです。キャストのちょっとした表情や仕草までもが、オペラグラス無しに見えるのは前方席の特権です。
しかし逆に、近すぎて全体が見えないこともあります。推しだけに定点カメラ状態になってしまうと、周りで何をしているか分からないというデメリットがあるのです。

後方席のメリットは逆に、舞台全体が見えることです。大人数での試合シーン、動きの激しいシーン、舞台全体を使ってのダンスシーンなどはやはり、全体をひとつの舞台として見たいものです。
しかし逆に、オペラグラスが無いとキャストの表情が見えない、運が悪いと前の人の頭でほぼ何も見えない、といった可能性もあります。

どの席でもその席なりの楽しみ方を!

一般的には、センブロ前寄りの席が最高と言われていますが、個人的には「どの席でも楽しみ方はある」と言えます。
後方席や2階席で舞台全体を見たり、通路側でキャストとハイタッチをしたり、見切れ席ではキャストの思わぬ演技を間近で見られることもあるのです。

基本的に、舞台は映画館と違って自分で座席を選ぶことはできません。すべて時の運です。演目によっては「プレミアム」と呼ばれる席でも2階席であることはよくあります。

一度きりの観劇であればその席なりの楽しみ方を。そして複数回チケットが取れたのであれば、自己責任の範囲ですがチケット交換などを駆使してみましょう。
できるだけあちこちの席で同じ舞台を見ると、新鮮な楽しみ方ができますよ。

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