推しがステージに立つ

推しの舞台や、楽しみにしている作品の舞台化が決まった!という時。
まず確認するのはスケジュール、それからお財布ですよね。

一般的な舞台では、大掛かりなものでは1年前にだいたいの日程が発表され、チケットの発売は数か月前から、というものもあります。

しかし、2.5次元の舞台では「半年後に公演初日!チケット発売はもうすぐ!」ということもよくありますよね。
日程が発表されてから思う、
「あっちの舞台とかぶってる!」「体分裂したい!」
は、あるあるではないでしょうか。

そしてスケジュール帳と財布とにらめっこをして、日程は確保。次に考えるべきは「さて、いつ行こう?」
初日のチケットを狙うか、中日か、千秋楽か。
ここではそんな「公演中、いつ頃の舞台を見に行こうか?」と悩んだ時の、それぞれの良い点についてご紹介します。

見られるものなら全部見たい!だけど…!

「いつ行くも何も、全通に決まってる!」という人ももちろんいるでしょう。
しかしほとんどの舞台、チケ取りは戦争です。「行かれるのであればいつでもいい」の方が多いのではないかと思います。
問題は、いつ頃の日程の申し込みをするか?です。

申し込みが抽選であれば、やはりできるだけ希望の日程で見たいですよね。そして抽選は、すべての日程に申し込むことはできません。1公演~多くて3公演といったところでしょう。
そのような場合、例えば自分のスケジュールが公演期間中すべて空けられるとしても、申込める公演が一回であることもありますよね。

初日には初日の、中日には中日の、そしてもちろん千秋楽にも、それぞれメリットとデメリットがあります。

まずは初日から順番に挙げていきましょう。

誰も知らないまっさらな舞台――初日

初日の良い所は何と言っても、「まだ誰も見ていない」です。
役者さん自身も、幕が開いてみなければわからない緊張感でいっぱいですし、観客側も、演出・セリフ・展開など何もかも予想がつきません。

幕が開く瞬間のピンとした張りつめた緊張感、どんな舞台になるんだろうという期待と高揚感、初日にはそれが会場中を埋め尽くしています。
ネタバレを食らうこともなく、まっさらな状態で観劇に臨めるのは、初日の特権です。

その反面、何も情報が無いということは、
・推しばかり目で追っていたら内容が全く頭に入って来なかった
・どこから推しが出てくるのかわからなかった
・いろんな事柄に対して準備ができていない(心の準備、目の準備など)
というマイナス面もあります。

後半に向けてちょうど脂がのる――中日

「中日」は「なかび」と呼び、その名のとおり、公演のちょうど真ん中の日を指します。
前半を無事に終え、後半もまた無事に過ごせるようにと願う大切な日です。

そして中日は、公演真ん中ということで、前半の緊張を保ちつつも、演技も慣れてきてちょうどいい具合になっていることが多いです。固さも取れ、後半に比べて疲労もたまっていないという、いい塩梅になっているのがこの中日です。

中日は、「後半に向けて頑張りましょう」と一本締めを行ったり、出演者から裏方さんへあらためて挨拶したり食事会をするなどの「中日祝儀」と呼ばれる行事の風習もあります。
中日は、舞台にとってはとても大切な日なのです。

「ただの真ん中くらいの日」と思わずに、中日を狙っていくのもおすすめです。
ただし、平日であることが多いです。

中日・平日の楽しみ――アフタートークなど

舞台によっては、平日昼間の公演後に、キャストが登壇して裏話などを語ってくれる「アフタートーク」や、チェキ撮影会・握手会といったイベントを開催することもあります。
これは、なかなか人の集まりにくい平日昼公演をいっぱいにするための画策だと思われますが、土日休みの企業勤め社会人にとっては、辛いところですよね。

平日の昼公演は、土日よりも比較的チケットが取りやすくなっています。そのため、良席で見られる確率・チケットを取れる確率が、土日よりも上がることがあるのです。
しかし、アフタートークに出るキャストが早めに発表されたり「ここにはイベントが設定されそうだぞ」と思われれば、平日昼公演と言えども即完売になってしまいます。

やっぱり最終日には思い入れがあります――千秋楽

舞台のチケットで、最も激戦だと言っても良いのはやはり最終日、最終公演の千秋楽です。
「最後だ」ということでキャスト・観客共に思い入れが強く、千秋楽公演は異様な空気に包まれることが多いですね。カーテンコールが一度増えたり、特別な挨拶があったり、次回公演のお知らせなど、あっと驚くサプライズが仕込まれている舞台も、中にはあります。

しかし逆に千秋楽は、「それまでの公演を一度見た人・リピーター向け」の一面も持ち合わせていると言ってもいいでしょう。
舞台によっては、千秋楽公演ではこれまでの舞台とはまったく違った趣向をにしたり、公演を見ている前提で「お遊び」を入れてくるものもあります。観劇前・チケットを取る前に、念のため調べておくことをおすすめします。

千秋楽は最後の公演です。つまり、万一途中で見逃してしまったシーンがあったり、周りは笑っているのに自分だけ分からないアドリブがあったり、どんなに「もう一度見てみたい」と思っても、再演が無い限りもう一度見ることはかないません。

そうはいっても、やはり「最後」を締めくくる千秋楽のチケットは、できることなら手に入れてみたいですよね。

実は狙い目!安定して「最後」を味わえる前楽

上のような千秋楽のリスクもなく、安定して最終日を味わえるのが「前楽」です。
多くは、千秋楽が夜公演であれば、その日の昼公演のことを指します。

キャストも「今日が最終日だ」と気合が入っていますし、「まだ千秋楽がある」という思いで、良い意味で肩の力の抜けた良い芝居が見られることが多いです。
そのため、あえて前楽を希望してチケットを取る人も多くいます。

まとめ

「舞台は生き物」とよく言います。
同じ舞台は二度となく、たとえ同じ日であってもまったく違う物になります。
それだけに、できれば全部見に行きたいところですが、なかなかそうもいきません。
自分のスケジュールとお財布と相談の上、どの公演日を選ぶのか、また、希望する日に当たらなくてもその日にはその日の、二度とない舞台が見られます。

悔いなく舞台を楽しむために、まずは「こういう舞台が見たい」という目的を決め、だいたいの日程に合わせてチケット申し込みをしてみましょう。

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