舞台の「アンケート」用紙を出したことはありますか?
2.5次元の舞台に限らずですが、舞台を見に行くと「アンケートにご協力ください」と呼びかけられ、専用の用紙があることがほとんどです。
入口でもらうお知らせのチラシにはさまっていたり、あらかじめ座席に置いてあったりと、用紙を受け取る方法はさまざまですが「見たことは無い」という人はいないのではないでしょうか。
「書くのが面倒」「出すことで何か意味はあるの?」と考えることもあるでしょう。
ここでは、アンケートを出す意味、そしてメリットやおすすめの書き方などについてご紹介します。
アンケートを出す意味って何だろう?
舞台におけるアンケートですが、実は、さまざまな目的があって集められています。
もちろん、公演側の「その日の反応」を知りたいということもありますが、それだけではありません。
アンケートを提出することで、もちろん劇団側にも、そして見ているこちら側にも大きなメリットがあるのです。
それでは、それぞれのメリットについて見ていきましょう。
主催・公演側だけでなく観客側にもメリットあり!
アンケートと聞くと、記入している側には何のメリットも無いように感じます。
しかし実は、アンケートを書くことで双方にとって良いことがあるのです。
舞台側にとってのメリットと、観客側のメリットを並べてまとめました。
1.観客のデータ収集
※観客側…舞台によっては先行のお知らせをもらえるなど
アンケート用紙には、
来場日(マチネ・ソワレ)、年齢、職業、公演を知ったきっかけ
などを書く欄が設定されていることが多いです。
どの公演にはどんな客層が集まっているのかを知ることで、例えば
・次回は昼公演を増やそう(減らそう)
・遠方から来ている人が多い(地方公演を視野に)
・リピーターが多い、新規が多い
といったデータが取れ、次回公演に役立たせることができます。また、劇団によっては、メールアドレスに先行のメルマガを送ってくれることもあります。
2.意見が聞きたい・反応がもらえる→次回公演へのモチベーションになる
※公演が続く、意見が反映されることがある、など
舞台に限らず、表現者は「自分が表現したいものがあるから」という気持ちで活動をしている半面、「やるからには反応が欲しい」という欲求もあります。
舞台を見て感じたこと、どこが面白かったのか、どのセリフが印象に残ったのか、など単純に「感想」が欲しいということがまずひとつです。
この感想が、初日であればそれからの公演へのモチベーションになり、千秋楽・最後の日であれば次回の公演についての参考になります。
そして、ここがポイントなのですが、
公演中の舞台において、アンケートに書かれた意見が反映されることもあります。
アンケート内に、明らかに直すべきカ所や問題が書かれたりしていたとき、対応できるものであれば、公演中でもどんどん舞台が変わっていくこともあります。
クレーマーや「過ぎたる観客」のように、自分の思うように舞台を変えたい、こうだったらいいのにな、という意見ではないことが大前提ですが、舞台を見ていて「明らかにおかしいな」「疑問だな」と感じることがあれば、書いてみることをおすすめします。
舞台の内容や演出自体に変更があることは無いと思っても良いですが、
「この席からは○○のシーンがまったく見えなかった」
「効果音とかぶってしまってここのセリフが聞き取れなかった」
などの意見が、取り入れられ、改善されるパターンが多いようです。
3.役者の人気などの目安になる・役者さんが喜ぶ
※推しに喜んでもらえる
具体的に、推しの役者さんの名前を多く出したり「良かった」と書いてみましょう。
その役者さんが人気があるのだなと主催者に「生の声」として伝えられるだけではなく、何よりも役者さんが喜びます。
そんなの当たり前の事じゃないか、と思われるかもしれませんが、SNSで呟かれる「○○くん良かった」の声は、主催側がエゴサーチをしなければ届くことはありません。しかし、ファンレターではなくアンケートという方法を取ることによって、確実に声は届き、さらに言うなれば「みんなの前で褒められる」状態になります。
役者さんによっては「演技を変えたくないから、アンケートは最後まで見ない」ということもあるようですが、「良かった」の言葉なら届くはずです。
もともとの推しの俳優さんであれば、舞台の日に合わせて手紙を用意していくこともできるでしょう。しかしファンレターは、その日見た感想は伝えられません。多少字が荒れていても、見たそのままの声を少しでも届けてみましょう。
また「今日初めて見てファンになりました」というひとことでも良いですね。ちゃんとしたファンレターは、帰宅してからあらためてゆっくり書けば良いのです。
でも、なかなかその日には書けない…主催側にも求める改善点
舞台を見終われば、たいていの場合、そのまま席を立って会場をあとにしなければいけません。アンケートをゆっくり丁寧に埋めている時間はありません。
「見終わったばかりで胸がいっぱい…」ということもあります。
絶対的に「時間が足りない」、「何を書いたらいいか分からない」のが、アンケートを書けない、集められない原因と言って良いでしょう。
例えば、
・筆記をする箇所を減らし、チェック項目を増やす
□感動した (特に感動したシーンは?…)
□泣けた (特に泣けたシーンは…)
のように、チェック項目にチェックを入れ、あとは筆記を任せるようにすれば、書く側としても「コメントをお願いします」と広々としたスペースを丸投げにされるよりも、断然書きやすいです。
ここに「推し俳優へのひとこと」欄でもあれば、直接言葉をその日に伝えられてベストなのに、とは常に感じていることです。
チェック項目は機械的、という声もあるかと思いますが、書き方の誘導の手段のひとつとして、ぜひ主催・劇団側には取り入れてもらいたい手法です。
これらのこともアンケートに書いて、どんどん改善を求めて行っても良い事柄です。
互いにとってメリットのあるwin-winを狙う、これがアンケートの目的と言って良いでしょう。
しかしそれまでは、
・マチソワの場合は、マチソワ間にどこかのカフェなどで書いて、ソワレで提出する。
・ソワレ時は、時間が許せばその場で。丁寧に書くのなら持ち帰りでFAX
という、現時点での状況が続いてしまいます。
観客側もできるだけアクションを起こして、主催側に働きかけても良い事柄です。
また、紙ではなくグーグルフォームなどのメールフォーム形式にして、QRコードでアクセス→スマホで書いて送信、アンケート送信画面にキャストの待ち受け画像、のようにすれば、帰りの電車などでもゆっくり書ける上に回収率も上がります。
今後主催側でも、何らかの工夫をしてくれることを望むばかりです。
まとめ 手短に書くために!
現時点では、まだアンケートは「丸投げ」状態の舞台が多いです。そこで、簡単に手短に書けるコツをご紹介します。
それは「箇条書き」です。
広いスペースに何を書こうか困ってしまうから書きにくいのであって、感じた事柄をどんどん箇条書きで書いてしまえば良いのです。
<面白かったところ>・~
<こうして欲しいと思ったところ>・~
<キャストへひとこと>・○○さんへ。~
のように書いてしまえば、だらだらと文章を綴る必要もなく、効率的でおすすめです。
箇条書きも、チェック項目と同じように「機械的」という声もあるでしょう。しかし、出さないよりは、意見として出す方が価値があります。
双方にとってメリットのある「アンケート」、今まで書いていなかったという人も、次回の公演から、できるだけ提出してみませんか?